2026/9/12【 関東大学対抗戦A 】vs慶應義塾大学 マッチレポート
関東大学対抗戦A 対慶應義塾大学戦
9月12日(土)・秩父宮ラグビー場(東京都港区)
○帝京大学50-5慶應義塾大学●
《BRIEF REVIEW》
いよいよ対抗戦が始まった。初戦の相手は慶應義塾大学。例年はシーズン後半で対戦することが多い実力校だが、昨シーズンの成績の関係もあり、いきなり開幕戦での対戦となった。
また、暑さを考慮し、午後6時のキックオフでのナイトゲームという、普段とは異なる環境での戦い。夕方から気温がぐっと下がり、熱中症のリスクは下がったものの、試合直前には激しい霧雨が降るなど、難しいコンディションでの戦いとなった。開始直後は目まぐるしくボールの所有権が入れ替わる展開。スクラムが安定せず、ペナルティを取られるが、その直後、相手のキックしたボールをうまく獲得して、PR森山が大きく前進し、チャンスを作る。8分、ラインアウトからモールを押し込み、HO螻川内が先制のトライを奪う(5-0)。
その後は攻め込まれる場面もあるが、PR清水、SH西村らの好タックルもあり、しっかりと耐え、攻めに転じる。19分、ラインアウトはやや乱れるが、PR森山がうまくキャッチし、前進。ラックから、SH西村-FLヘニビトゥ-WTB林と渡り、林が抜け出してトライ(12-0)。直後、相手ボールのラインアウトが乱れると、PR森山がうまく拾って、すかさず前方へ大きくキック。相手のタッチキックをクイック・スローインで入れると、FB本橋が逆サイドへ50:22を蹴り、チャンスと作る。ここは得点には至らないが、その後も帝京はキックパスなど多彩な攻撃を繰り出す。冷められる場面も、WTB佐藤(楓)、No.8ダウナカマカマらの好ディフェンスで防ぐ。
31分、ゴール前でペナルティをもらい、No.8ダウナカマカマがタップキックから前進。FWで攻めたあとのラックから、SH西村-FB本橋と渡り、本橋がディフェンスをかわしてトライ(19-0)。ここから攻められる場面もあるものの、SH西村のインターセプト、LO坪根、WTB佐藤(楓)、CTB福田(恒)らの好タックルもあり、大きな前進は許さない。前半を19-0で折り返した。
後半は開始早々から、FW陣の力と力のぶつかり合いとなる。相手のラックからのピックアンドゴーの連続に対して、帝京も力で対抗。PR森山、FL甲斐、LO鈴木(彪)らのカウンターラックでターンオーバーし、PR清水が前進。ここはパスがつながらず、陣地を戻されるが、この試合を象徴するかのような激しい意地のぶつかり合いとなる。
攻められる場面も、チームディフェンスで相手の前進を許さず、SH西村のスティールで防ぐ。7分、ラインアウトから連続攻撃。PR森山が前進。ラックから、SH西村が仕掛けて前進。CTB上田(倭士)-WTB林と渡り、林が走り切ってトライ(26-0)。その後も激しいボール争奪戦が続く。帝京はハイパントのボールを取った相手にプレッシャーをかけて奪ったり、ラックでPR清水が圧力をかけて奪ったりと、パワーでチャンスを広げるシーンが増える。
12分、キックカウンターからつなぐ。WTB佐藤(楓)-FB本橋-CTB上田(倭士)-WTB林-CTB福田(恒)と渡り、福田が大きく前進。さらにCTB上田(倭士)へとパス。上田が走り切ってトライ(31-0)。その後も、WTB林のスティール、CTB福田(正)、No.8ダウナカマカマ、FL甲斐(敬)の好タックル、SH三田村のスティールなど、帝京はディフェンスでリズムを作る。
28分、ラインアウトから連続攻撃。SO上田(倭楓)が前進。ラックから、SH三田村-CTB福田(正)と渡り、福田が抜け出してトライ(38-0)。ペナルティからゴール前まで攻め込まれる場面もあるが、FL藤久保、PR有賀らの好タックルが相手のミスを誘う。
37分、ラインアウトからモールを押し込む。HO高が持ち出してトライ(45-0)。42分にモールを押し込まれてトライを奪われるが(45-5)、その直後の44分、キックオフのボールをうまく拾ってつなぐ。福田(正)が大きく前進。ラックから、SH三田村-SO上田(倭楓)-FB吉田(琉)と渡り、吉田が走り切ってトライ(50-5)。
その後はお互いに好ディフェンスがあり、攻め切れずにノーサイド。帝京が50-5で対抗戦初戦を勝利で飾った。
《COLUMN》
―― 一生懸命を楽しむ ――
今シーズンの対抗戦が始まりました。帝京は初戦を50-5で勝利し、幸先のよいスタートを切りました。
結果だけでなく、その戦いぶりにも注目が集まります。
試合後の記者会見場で、以前からよく存じあげているベテラン記者さんにこんな言葉をかけられました。
「帝京の選手たちはみな、ラグビーを楽しんでやっているように見えますね」
「楽しんでラグビーをやっている」というのはチームスローガンの「Enjoy & Teamwork」の「Enjoy」の部分が見ている人にも伝わったからなのでしょう。
しかし、対抗戦の初戦ということもあり、学生たちからは「緊張した」「必死だった」という言葉が聞かれました。そこには楽しむ余裕のようなものは一切感じられず、80分間、一生懸命にプレーをしたという実感がこもっていました。
相馬朋和監督はイヤーブックでのコメントなどさまざまなところで、「学生たちには『一生懸命に頑張ると楽しい』ということを伝え続けてきた」と述べられています。
「楽しんでラグビーをやっている」ように見えたのは、まさに一生懸命を楽しんでいる姿勢が試合中のプレーに表れていたからに違いありません。今後もそんな「一生懸命を楽しむ」姿勢をシーズン通して見せていってほしいと思います。
(文/木村俊太・写真/志賀由佳)









