2026/6/14【練習試合 対早稲田大学戦】vs早稲田大学 マッチレポート
練習試合 対早稲田大学戦
6月14日(日)・早稲田大学上井草グラウンド(東京都杉並区)
○帝京大学33-32早稲田大学●
《BRIEF REVIEW》
この日の試合は、早稲田大学との練習試合。春季交流大会Bグループの帝京にとって、Aグループの首位を走る相手とどのような戦いができるかは、現在の立ち位置を知る上でも貴重な機会と言える。また、昨シーズン、大学選手権準決勝で敗れた相手でもあり、いやが上にも気持ちが入る一戦となるはずだ。
だが、立ち上がりはその気持ちの部分が空回りしてしまったか、思い通りのプレーができず、耐える時間帯が続く。3分、ラインアウトから展開され、先制トライを許してしまう。その後もハイタックルなどのペナルティが多くなり、守勢に回らざるを得なくなる。12分にはラインアウトからモールを押し込まれてトライを許し、続く15分にはラインアウトからつながれ、なんと3連続トライを奪われ、0-15とされてしまう。
重苦しい流れをなんとか断ち切りたい帝京。だが、ここからは一進一退の展開が続く。
26分、ようやく帝京がチャンスをつかみ、ゴール前でのラインアウトからモールを押し込み、LOイリエサがトライ。7-15とする。その後、攻めてもなかなか得点にまでは至らない展開が続くが、立ち上がりのよう嫌な流れはなく、お互いの力と力がぶつかり合う形となる。44分、ラインアウトからモールを形成し、その後、BKへ。WTB青栁がうまく抜け出してトライ。SO上田(倭楓)のゴールも決まり、14-15の1点差で前半を折り返した。
後半、先に得点したい帝京だったが、ペナルティなどからピンチとなり、前半の立ち上がりを再現するような流れとなってしまう。3分、ラインアウトから展開され、トライを奪われる(14-22)。9分にはPGを決められ、さらに14分にもラインアウトから展開されて、トライを許してしまう(14-32)。8点差となり、残り時間を考えると前半以上に重苦しい雰囲気が漂う。しかし、帝京はけっしてあきらめない。少しずつだが、動きに激しさが増していく。
20分、WTB石原の突破からチャンスをつくり、最後はFL甲斐(敬)がトライを奪う(19-32)。ここから帝京の勢いはさらに増していく。31分、ターンオーバーからチャンスをつくる。キックで前進し、WTB青栁がトライ(26-32)。6点差と迫るが、残り時間も減っていく。勢いは帝京。だが、相手の守りも堅い上に、個人技で前進を許すシーンもある。それでも帝京は最後まで攻め続ける。39分、スクラムから展開。CTB関口が抜け出し、走り切ってトライ。難しい角度からのゴールをSO上田(倭楓)が決め、33-32と帝京が逆転に成功する。
最後はスクラムでペナルティを奪って、蹴り出し、ノーサイド。苦しい展開を乗り越え、33-32で帝京が逆転勝利を飾った。
《COLUMN》
―― 最後まであきらめない文化 ――
この日の試合は、昨年度の大学選手権準決勝で敗れた相手の早稲田大学との戦いということで、練習試合ではあるものの、お互いに気持ちの入った、とても激しいゲームになりました。
帝京は、前半・後半ともに立ち上がりから相手に3連続得点を許してしまい、後半15分の時点で18点のビハインドを背負うという、非常に厳しい展開となりました。
しかし、帝京はけっしてあきらめませんでした。この18点差を残り25分で逆転し、勝利を掴みました。試合後、学生たちはインタビューで「あきらめないのが帝京の文化」と述べ、「先輩方が築いて来られた文化を引き継ぎつつ、新たな帝京の文化をつくっていく」とも語りました。
「文化」という言葉は非常に幅広い意味を持つので、具体的にどのようなことを指すのか、イメージが湧きにくいかもしれません。ですが、幅広いがゆえにいろいろな概念を入れ込むことも可能です。
「帝京の文化とは?」と問われたら、例えば「脱体育会系」とか「ダブルゴール」とか「多くの人に応援してもらえるような行動を取る」とか「目の前に落ちているゴミはすぐに拾う」とか、いろいろな具体例が出てきます。一言では言えないところがポイントです。一言で言えないがゆえに、具体的な例を次々と付け足していくことができるのです。
今日の試合で「どんな状況でも最後まであきらめない」という具体例が言語化されました。このあとも、いろいろな具体例が言語化されて、付け足されていくことでしょう。そんな大きな器こそが「帝京の文化」なのでしょう。
(文/木村俊太・写真/志賀由佳)








