第 81 回 日本弱視斜視学会で研究成果を公表しました

6/6-7 に京都ロームシアター/みやこメッセで開催された第 81 回日本弱視斜視学会で,本研究室のメンバーが研究成果を報告しました.

広田准教授は,大型弱視鏡の視標を小型の液晶ディスプレイに表示するデジタルスライドを開発し,その精度が従来のプラスチック製のスライドと類似していることを報告しました.デバイスの構成検証,ソフトウェア作成,ハードウェア作成の全ての本研究室で行ったオリジナル品のため,作成過程などの裏話は何かの講演会で機会があれば話すかもしれません.

瀧川助教は,東海光学社との共同研究成果を公表しました.文字の形状(フォントや言語)によって見やすさが変わることは以前から指摘されていましたが,数値として落とし込む方法はなく,今回,我々の共同研究で良さそうなパラメータを発見したことを報告いたしました.見やすいフォント,見辛いフォントはある程度説明が付くので,足回りの検証試験を実施したあと,国際誌に研究成果を投稿する予定です.

大学院生の橋爪氏は,読書時の学習効果について検証した結果を報告しました.読書の際,1回目より2回目のほうが読む時間が短くなることは体験している方が多いと思います.一方で,何回読めば最速になるか = 学習効果が消失するかは検討されておらず,他の分野で3回程度で収束するという報告があったことから5回同じ文章を黙読し,アイトラッカーで読書時間を計測したところ,4回で大凡収束するのですが,完全に学習効果が収束するのは6回目以降であることが示唆されました.読書速度は,眼球運動の評価をはじめ,様々な分野で評価指標として使用されていますが,学習効果によって結果に偏りが生じることもあります.今後,更に検証を進めて参ります.