慶應義塾大学の足立剛也先生が代表となって進めていた,AMEDの免疫アレルギー事業の成果がアレルギー領域で最も権威ある国際医学誌の1つであるAllergyに掲載されました.
本研究では,国内最大級のアトピー性皮膚炎患者さん向け投稿アプリを用いて,患者さんが自身で撮影した皮疹画像から,その重症度を人工知能 (AI)が自動で解析・評価する新たなAIモデルを開発しました.このAIモデルは,診察室の外でも、患者さんが自ら皮膚の状態を継続的・医学的・客観的に把握できるツールとして,日々の生活の中での「気づき」や「判断」を支援します.さらに,医療機関においても,皮疹の重症度を継続的かつ標準化された方法で評価できる「デジタルバイオマーカー」としての活用が期待されます.
プレスリリースでは,慶應義塾大学,京都府立大,帝京大,アトピヨ合同会社の名前が挙がっていますが,免疫アレルギー事業「アトピー性皮膚炎をモデルとした次世代リバーストランスレーショナル研究基盤構築に向けた研究」は,京都大学,名古屋大学,順天堂大学をはじめとした多施設共同研究で進められていたプロジェクトでした.
広田は本プロジェクトに2022年から参画し,アトピー性皮膚炎の重症度判定AIモデルを開発しました.何度もウェブミーティングを重ね,進めてきた研究成果が,世に出て本当に良かったです.
因みに,掲載された Allergy という雑誌ですが,インパクトファクター (IF) が 12.6 点と非常に高い雑誌だったりします.2025年の3月31日に投稿し,なんと4月26日に再査読なしの一発アクセプト!
初回投稿で再査読無しのアクセプトはごく稀にあると聞いてはいましたが,まさか IF が高い雑誌で起こるとは思ってもみなかったので,アクセプト通知が来たときは関係者皆大喜びでした.
本研究成果をさらに発展させ,患者さんの生活の質を向上できるよう努めて参ります.